現在進行中の事件などに関しては、本家およびはてなブックマークをご参照ください。

2014年11月03日

「紛争の中を、ニュースに接しながら、生きた」ということ……ConflictNIというTwitterアカウント

北アイルランドに関し、「NAVERまとめ」を利用してつけている「記録」を、こちらにも転記していこうと思う。

「NAVERまとめ」での「北アイルランド」のカテゴリは、音楽や映画についての単発の「まとめ」はあるが、継続的にはほぼ私しか使っていない状態で、一覧は下記URLから。
http://matome.naver.jp/topic/1M1NG

以下、11月2日の「本家」とのクロスポスト。



北アイルランド、ファーマナ州。エニスキレンがあり、2013年のG8サミット開催地となったアーン湖のゴルフリゾートがある自然豊かな「アイルランドの田舎」だ。

1972年10月、既にデリーの「ブラディ・サンデー事件」などで「北アイルランド紛争」は激化しており、事態は「プロテスタント系住民対カトリック系住民の対立」ではなくなって、そこに「中立の勢力として介入した」はずの英軍も加わって、混沌としていたころのことだ。

ファーマナ州の酪農家を訪れた燃料店の御用聞きが、2人が殺されているのを発見した。ピッチフォークで刺されたように見受けられたことから、この事件は「ピッチフォーク殺人事件」と呼ばれた。殺されたのは30代と40代の農家の男性で、いずれも「リパブリカン」の活動はしていなかったが、「カトリック」だった。

誰が殺したのか……「プロテスタント」の過激派の仕業ではないかなどとも考えられたが、手がかりはつかめず、数年が経過した。のどかな田舎でも「紛争」による緊張感が日常生活に入ってきた。

そして1978年、スコットランドで「私はヨークシャー・リッパー(連続殺人鬼)の真相を知っている」と警察を訪れた人物が、「6年前の北アイルランドの事件についても知っている」と告げた。これにより、「ピッチフォーク殺人事件」は一気に解決した。

その結果、はっきりわかったのは、英軍が、地元警察(当時はRUC)に対して情報を隠蔽していたということだった。農家の人2人を殺したのは英軍人、凶器はダガーナイフだった。

……この事件のことを私は知らなかった。私が読んだ本には書かれていなかった。ウェブ検索しても「事件名」としてこの事件がヒットすることはない。むろん、私はこの事件が地域にいかに影響したかも知らなかった。

それについて、「まとめ」てある。より正確には、こういった「郷土史」的なことを教えてくれるTwitterのアカウントの10月下旬のツイートを記録してある。

北アイルランド紛争の「今日は何の日」をツイートするアカウントがある。
http://matome.naver.jp/odai/2141481836320855701


よくある「歴史資料」系のアカウントだが、ここがすごいのはその視点が「個人」のレベルであることと(おそらく、何人かの個人の新聞記事スクラップブックが元)、botではなく人々の「対話」の場になっているということだ。上記「まとめ」にもその「対話」が含まれている。

「紛争」も「戦争」も、語られるときは《大きな物語》でも、体験されるときはパーソナルなものである。

0745316182Personal Accounts from Northern Ireland's Troubles: Public Conflict, Personal Loss
Marie Smyth
Pluto Press 2000-05-01

by G-Tools

posted by nofrills at 01:06 | TrackBack(0) | NAVERまとめでの作成ページ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

※誤訳・誤記・誤変換などのご指摘やエントリの内容についてのご質問などは、
コメント投稿専用エントリのコメント欄にお寄せください。


この記事へのトラックバック




*参考書籍*

北アイルランド紛争についての英書

英語ではとても読みきれない(買いきれない、収納しきれない)ほどの本が出ていますが、筆者は特に下記の書籍を参照しています。
※画像にポインタを当てると簡単な解説が出ます。

031229416607475451970717135438
The IRA
Tim Pat Coogan
Loyalists
Peter Taylor
Killing Finucane
Justin O'Brien

北アイルランド紛争について、必読の日本語書籍
筆者はこのブログを書く前に、特にこれらの書籍で勉強させていただいています。

4621053159 4846000354
IRA(アイルランド共和国軍)―アイルランドのナショナリズム
アイルランド問題とは何か
鈴木 良平

北アイルランド紛争の歴史
堀越 智

IRA―アイルランドのナショナリズム(第4版増補)
鈴木良平

458836605X
暴力と和解のあいだ
尹 慧瑛
→「北アイルランド」での検索結果
→「Northern Ireland」での検索結果
* photo: a remixed version of "You are now entering Free Derry",
a CC photo by Hossam el-Hamalawy
http://flickr.com/photos/elhamalawy/2996370538/


×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。