現在進行中の事件などに関しては、本家およびはてなブックマークをご参照ください。

2009年05月04日

【写真】シャンキル・ブッチャーズ(写真複数)

ベルファスト・テレグラフの写真特集、"A Conflict in Pictures" から:
http://www.belfasttelegraph.co.uk/photo-galleries/article13909724.ece

写真URL:
http://www.belfasttelegraph.co.uk/photo-galleries/article13909724.ece?ino=279
※なお、これの一つ前の写真 (ino=278)から前は、しばらくは、既に取り上げた写真が掲載されています。2009年5月4日現在。

キャプション:
William Moore aka Shankill Butcher gang member. Pacemaker Press
「シャンキル・ブッチャーズのひとり、ウィリアム・ムーア。写真はPacemaker Pressによる」

【URLは2009年5月3日確認。特に告知なく変更される可能性があります。またURLが変わると写真が見つけられなくなりますが、これに限ってはサムネイルは省略します。】

シャンキル・ブッチャーズ (Shankill Butchers) は、1970年代にベルファスト(のカトリック・コミュニティ)を震撼させた連続殺人鬼の集団です。やってることはただの快楽殺人なのですが(被害者を肉屋の鉤にぶら下げて生きたまま皮をはぐ、など)、シャンキル地域で育った彼らは、地域のオレンジ・オーダー関連の組織にもUVFにも属しており、「政治的暴力」という口実を得ていました。法廷で裁かれただけで19人(カトリックの一般市民)を拉致して殺しています。
http://en.wikipedia.org/wiki/Shankill_Butchers

シャンキル・ブッチャーズの事件に関連した写真は、ベルテレのこの特集ページで、他にも上がっています。

まず、ブッチャーズのメンバーの顔写真(サムネイルはつけません)。以下、URLはいずれも、2009年5月4日に確認したもの。(変更される可能性があります。)

Edward McIlwaine:
http://www.belfasttelegraph.co.uk/photo-galleries/article13909724.ece?ino=11

Robert "Basher" Bates:
http://www.belfasttelegraph.co.uk/photo-galleries/article13909724.ece?ino=12

Lenny Murphy(グループのリーダー):
http://www.belfasttelegraph.co.uk/photo-galleries/article13909724.ece?ino=13

リーダーのレニー・マーフィーは微罪でちょくちょく投獄されてはいたものの殺人では有罪になることなく、1982年にProvisional IRAに殺されました(そしてUVFが「軍葬」を行なった)。ほかは出所しています。それも、1998年のグッドフライデー合意に定められた通り「紛争」の政治的暴力の行使者として刑期満了前に釈放されたわけではなく、ロバート・ベイツは90年代半ばにシャバに出ています(ただしほどなく、UDAに殺されたそうです)。現在も生存しているらしいウィリアム・ムーアについてはウィキペディア英語版に記事があります。

犠牲者:
http://www.belfasttelegraph.co.uk/photo-galleries/article13909724.ece?ino=204
キャプション:
The body of Joseph Donegan, discovered in an entry off Battenberg Street in Belfast's Shankill Road area, lies covered by a blanket. 25/10/1982.
「ベルファストのシャンキル・ロード地区、バッテンバーグ・ストリートの入り口で発見されたジョゼフ・ドニガンの遺体。毛布をかけられている。1982年10月25日」


上記の写真のトリミング前のが:
http://www.belfasttelegraph.co.uk/photo-galleries/article13909724.ece?ino=8
キャプション:
The body of catholic man lies in an entry off the Shankill Road in West Belfast after being murdered by members of the Shankill butchers. 25/10/82. Pacemaker Press
「西ベルファスト、シャンキル・ロードのわき道の入り口に横たえられたカトリックの男性の遺体。シャンキル・ブッチャーズのメンバーたちに殺害された。1982年10月25日」


CAINの死者データベースから:
http://cain.ulst.ac.uk/sutton/chron/1982.html
25 October 1982
Joseph Donegan (48) Catholic
Status: Civilian (Civ), Killed by: Ulster Volunteer Force (UVF)
Found beaten to death in entry off Brookmount Street, Shankill, Belfast.


別の犠牲者:
http://www.belfasttelegraph.co.uk/photo-galleries/article13909724.ece?ino=9
キャプション:
Con Neeson who was killed by the Shankill butchers in the late 70's. Pacemaker Press
「70年代に、シャンキル・ブッチャーズに殺されたコン・ニーソン。写真提供はPacemaker Press」


CAINの死者データベースから:
http://cain.ulst.ac.uk/sutton/chron/1982.html
02 August 1976
Cornelius Neeson (49) Catholic
Status: Civilian (Civ), Killed by: Ulster Volunteer Force (UVF)
Found stabbed to death at junction of Manor Street and Cliftonville Road, Belfast.


また別の被害者(奇跡的に生還):
http://www.belfasttelegraph.co.uk/photo-galleries/article13909724.ece?ino=14
キャプション:
A man with slashed wrists after an attack by the Shankill Butchers. Pacemaker Press
「シャンキル・ブッチャーズに襲われ、手首を切られた男性。写真提供はPacemaker Press」

この方は、ブッチャーズに拉致され拷問されて生き残った非常に数少ない人たちのひとりです(どこかでインタビューを読んだことがある)。


ブッチャーズの凶器:
http://www.belfasttelegraph.co.uk/photo-galleries/article13909724.ece?ino=15
キャプション:
Some of the knives used by the Shankill Butchers in their attacks. Pacemaker Press
「シャンキル・ブッチャーズが使っていたナイフの一部。写真提供はPacemaker Press」




この殺人集団については、数年来何か書こうとしているのですが、書く前の調べものの段階でいつも挫折します。もう、内容的に「北アイルランド紛争」でも何でもなく、むしろどちらかというとジェフリー・ダーマーとかそういう関係なんで。

The Decemberistsがこの殺人集団のことを歌っていますので、どうぞ。私はこの曲で、このアメリカのバンドがアイリッシュ・アメリカンなんだということを知りました。
http://www.youtube.com/watch?v=jI1OaD_Tqyk


歌詞は:
The Shankill butchers ride tonight
You better shut your windows tight
They're sharpening their cleavers and their knives
And taking all their whisky by the pint
...

They used to be just like me and you
They used to be sweet little boys
But something went horribly askew
Now killing is their only source of joy
...

今夜はシャンキル・ブッチャーズが繰り出している
窓をしっかり閉めなさい
連中は包丁やナイフを研いで
パイント単位でウィスキーをざぶざぶと飲んでいるから……
連中だって昔はごくごく普通だった
普通にかわいい子供だった
でも何かがおかしくなって
今は殺人でしか悦びを得られない
……

posted by nofrills at 22:00 | TrackBack(0) | 写真で見る北アイルランド紛争 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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*参考書籍*

北アイルランド紛争についての英書

英語ではとても読みきれない(買いきれない、収納しきれない)ほどの本が出ていますが、筆者は特に下記の書籍を参照しています。
※画像にポインタを当てると簡単な解説が出ます。

031229416607475451970717135438
The IRA
Tim Pat Coogan
Loyalists
Peter Taylor
Killing Finucane
Justin O'Brien

北アイルランド紛争について、必読の日本語書籍
筆者はこのブログを書く前に、特にこれらの書籍で勉強させていただいています。

4621053159 4846000354
IRA(アイルランド共和国軍)―アイルランドのナショナリズム
アイルランド問題とは何か
鈴木 良平

北アイルランド紛争の歴史
堀越 智

IRA―アイルランドのナショナリズム(第4版増補)
鈴木良平

458836605X
暴力と和解のあいだ
尹 慧瑛
→「北アイルランド」での検索結果
→「Northern Ireland」での検索結果
* photo: a remixed version of "You are now entering Free Derry",
a CC photo by Hossam el-Hamalawy
http://flickr.com/photos/elhamalawy/2996370538/


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