"the IRA" は、the Irish Republican Armyの省略形です。英語でもアルファベットでそのまま「アイ・アール・エイ」と読みます(「イラ」などではなく)。
彼らが「何」なのか、という質問には、簡単に答えることはできません。以前「本館」で書いたもの(下記)はありますが、これをさらに簡単にするのは……難しいです。
2006年11月06日 いろいろな「IRA」〜IRBからReal IRAまでの概略
http://nofrills.seesaa.net/article/26857689.html
とりあえず、英語版ウィキペディアの "List of IRAs" に基づいて、版書みたいなのを書いてみましたので、それをご参照ください。

※もう少し書き足す予定。→書き足しました。犠牲者数について。
アルスター大学のCAINデータベース内にあるSutton Index of Deaths(→このデータベースの見方の説明)によると、「紛争」においてリパブリカン武装組織が殺した2,056人のうち、IRA (1969年分裂後のProvisional IRA) が殺したのは1,707人です。
また、Suttonでcross tabulationでStatus summaryとOrganisationで確認すると、IRA (= PIRA) が殺した1,707人の内訳は:
・一般市民 516人
・英治安当局(軍、警察) 1,012人
・リパブリカン武装組織メンバー 140人
・ロイヤリスト武装組織メンバー 32人
・アイルランド共和国治安当局 7人
……これが、彼らの言う「戦争 war」だそうです。(余談ですが、UDAとかUVFが殺したのがほとんど一般市民ばかりだという事実を前にすると、1,700強のうち1,000以上が「敵」に直接的に与えた「損害」であるというこの数値から、IRAの「これは戦争だ」は相対的にはまっとうなものに見えてくるという恐ろしい副作用があるかもしれません。)
OIRA (Official IRA) は:
・一般市民 22人
・英治安当局(軍、警察) 18人
・リパブリカン武装組織メンバー 11人
・ロイヤリスト武装組織メンバー 1人
・アイルランド共和国治安当局 なし
の合計52人を殺しています。
Suttonでは、Real IRAは1998年8月15日のオマー爆弾事件での一般市民29人の殺害がカウントされているだけです。(2000年代に組織内紛と思われる事態が発生していますが、それはSuttonのこの表の対象期間から外れています。)
Continuity IRAは、Suttonの表には登場しません(CIRAは「ほとんど武装活動の実態がなかった」わけではなく、死者を出すに至らなかっただけだということに留意してください)。