北アイルランド紛争 (the Northern Ireland Conflict, the Troubles) の定義として一般的なものを、英語版ウィキペディアから。
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Troubles
The Troubles was a period of conflict involving republican and loyalist paramilitary organisations, political activist and civil rights groups, the Royal Ulster Constabulary (RUC), the British Army and others in Northern Ireland. The period is conventionally held to have lasted from the late 1960s until the conclusion of the peace process in the late 1990s, which culminated in the Belfast Agreement of 10 April 1998. ...
The Troubles have been variously described as terrorism, ethnic conflict, a many-sided conflict, a guerrilla war, a low intensity conflict, and even a civil war.
「北アイルランド紛争」は、リパブリカンの武装組織、ロイヤリストの武装組織、政治活動家、市民権運動のグループ、北アイルランド警察(RUC)、英軍などが関わった紛争の時期をいう。通例、1960年代終わりから1990年代終わりの和平プロセスの決着(1998年4月10日のベルファスト合意)まで続いたものとされる。……
「北アイルランド紛争」については、テロリズムであるとか、民族紛争であるとか、多面的紛争であるとか、ゲリラ戦争であるとか、低強度紛争(政治的対立の激しいもの)であるとか、内戦であるとか言われている。
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つまり、「北アイルランド紛争」というものには「いろいろな見方があり、いろいろな言葉が与えられている」ということです。
いずれにせよ、長野県くらいの面積と160〜170万人程度の人口しかない北アイルランドという場所で、人々が「あっち」と「こっち」に分かれて激しく対立して暴力を行使しあい、そこに英国の治安当局が絡んでさまざまな形の暴力を行使し、また、英国の治安当局は対立する2つの勢力の一方とべったりの関係にあり、何が何やらわからないままうやむやにされていることが今でもいろいろとあり、なおかつ、暴力が停止したあとも人々の間の「分断」は消えずに残っていて、暴力の時代にそれに直接は関わっていないはずの年齢の人たち(今10代の人たち)が「社会に対する不満」を吐き出す行動をするときにも、暴力の時代の社会的な枠組がリアルなものとして機能している、などというのが「北アイルランド紛争」です。
それでも、書き加えておかねばならないのは、全体としてはもはや「暴力の時代」ではない、ということです。「対立」は根強くあるにせよ、それを「暴力」で何とかしようということは、「普通」ではなくなっています。
(一言で説明しろ? 私には無理です。)