北アイルランドの「ロイヤリスト loyalist」は、簡単にわかりやすく説明すれば、「ユニオニストの過激派」です。(「過激派」とは、ここでは「暴力を辞さない者」、「暴力を積極的に用いる者」といった意味で使っています。)
「ロイヤリズム loyalism」は「アルスター・ロイヤリズム Ulster loyalism」とも表されます。ときどき日本語で「王党派」の訳語が与えられているのを見かけますが、誤解(というか違う方向への連想)を招きやすいのでこの翻訳は避けたほうが無難ではないかと思います。まあ、「英国王に忠誠を誓う」という点では、完全に違うわけではないのですが。
実際、CAINの「用語集」では、Loyalistは次のように定義されています。
Strictly the term Loyalist refers to one who is loyal to the British Crown. The term in Northern Ireland context is used by many commentators to imply that the person gives tacit or actual support the use of force by paramilitary groups to 'defend the union' with Britain.
厳密には、「ロイヤリスト」という用語は、英国王に忠誠を誓った者のことをいう。北アイルランドのコンテクストでは、英国との「連合を守る」ための武装集団による武力の利用を暗黙のうちに、あるいは実際に支持する者を示すことばとして、多くの人々に用いられる。
http://cain.ulst.ac.uk/othelem/glossary.htm#L
参照先:
http://en.wikipedia.org/wiki/Ulster_loyalism
# 実際に彼らに「思想」があるかどうかは、語の定義とはまた別の問題です。ニュースを見ている限り、「ロイヤリスト」と呼ばれる集団に「思想」があるかどうかは非常に微妙だと思います。