現在進行中の事件などに関しては、本家およびはてなブックマークをご参照ください。

2008年11月25日

【映画の紹介】『父の祈りを』(1993年)

『父の祈りを』
In the Name of the Father
Director: Jim Sheridan
http://www.imdb.com/title/tt0107207/

1974年10月5日、ロンドン近郊のサリー州のギルフォードで、英軍関係者が集まるパブがIRAによって爆破された。容疑者として逮捕されたのはたまたまそのへんにいただけの「アイルランド人」のヒッピーのような青年、ジェリー・コンロンら4人(ギルフォード・フォー)。「IRAのテロが英国を破壊する」との不安が世間を覆う中、警察の強引で違法な取調べによって、彼らは「犯人」に仕立て上げられる。そればかりか、息子の身を案じてロンドンに来ていたジェリーの父親のジュゼッペ・コンロンまでも、親戚のアニー・マグワイアの一家とともに逮捕され(マグワイア・セヴン)、爆発物所持の濡れ衣を着せられて有罪となってしまう。

やらんでもいいことをやってIRAに目をつけられた「カトリック」の青年ジェリーが故郷ベルファストを出てロンドンに出るところから、爆弾事件、突然の逮捕、警察での無茶苦茶な取調べ、さらに輪をかけて無茶苦茶な裁判……これらが非常にぎっちりと描かれた映画。原作はジェリー・コンロンの手記。

4087602532父の祈りを (集英社文庫)
ゲリー・コンロン
集英社 1994-10

by G-Tools


1989年、ついに彼らの無実が証明されたときには、マグワイア・セヴンは刑期を満了し出所していた。当時13歳だったマグワイア家の息子、パトリックは最近『お父さんの時計 My Father's Watch』という回想記を出しているが、残念ながら私は未読である。

ジュゼッペ・コンロンは、若いころの炭鉱での仕事が元で罹患していた肺の病が進行し、1980年1月、獄中で死亡した。

ギルフォード爆弾事件は、真犯人は判明しているが、真犯人の逮捕・起訴は行なわれていない。

違法な形での尋問を行なった警官も、結局は責任を問われていない。



「ギルフォード・フォーの冤罪」の問題点について、日本語で読めるページ:
http://www.ritsumei.ac.jp/kic/~ibusuki/pub/INORI.HTM
※法律がご専門の方の文章です。

ジェリー・コンロンのお母さん、サラ・コンロンさんの訃報(2008年7月):
http://nofrills.seesaa.net/article/103267521.html

「ギルフォード・フォーの冤罪」について、英語版ウィキペディア:
http://en.wikipedia.org/wiki/Guildford_Four



この映画を:
「ぽすれん」で借りる→父の祈りを
・amazon.co.jpで買う→父の祈りを
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*参考書籍*

北アイルランド紛争についての英書

英語ではとても読みきれない(買いきれない、収納しきれない)ほどの本が出ていますが、筆者は特に下記の書籍を参照しています。
※画像にポインタを当てると簡単な解説が出ます。

031229416607475451970717135438
The IRA
Tim Pat Coogan
Loyalists
Peter Taylor
Killing Finucane
Justin O'Brien

北アイルランド紛争について、必読の日本語書籍
筆者はこのブログを書く前に、特にこれらの書籍で勉強させていただいています。

4621053159 4846000354
IRA(アイルランド共和国軍)―アイルランドのナショナリズム
アイルランド問題とは何か
鈴木 良平

北アイルランド紛争の歴史
堀越 智

IRA―アイルランドのナショナリズム(第4版増補)
鈴木良平

458836605X
暴力と和解のあいだ
尹 慧瑛
→「北アイルランド」での検索結果
→「Northern Ireland」での検索結果
* photo: a remixed version of "You are now entering Free Derry",
a CC photo by Hossam el-Hamalawy
http://flickr.com/photos/elhamalawy/2996370538/


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